国道260号 五ケ所湾:複雑な入江を縫うように。五ヶ所湾の青が織りなす、伊勢志摩の奥座敷へ。

目次

概要

国道260号 五ケ所湾


 このエントリーをはてなブックマークに追加 


伊勢志摩の奥座敷へ:国道260号、五ケ所湾を巡る絶景ドライブ


【旅の舞台:国道260号の概要と特徴】
国道260号は、三重県志摩市から紀北町(きほくちょう)を結ぶ、志摩半島南部と紀伊半島東岸を連絡する主要な幹線道路です。かつては酷道区間として知られましたが、現在はバイパスやトンネル整備が進み、景色の変化に富んだ潮風を感じる旅情豊かな道として親しまれています。
この国道の最大の特徴は、海上区間が存在することです。志摩市志摩町の御座港と、このルートの起点となる志摩市浜島町の浜島港の間は、英虞湾(あごわん)口を挟んで陸路が途切れており、国道指定の海上区間となっています。かつてはカーフェリーが運航されていましたが現在は廃止されており、車両で全線を走破するには、大きく迂回する必要があります。

【絶景の連続:浜島港〜五ケ所湾周遊(約38km)】
今回は、国道260号の陸上区間のうち、三重県志摩市浜島港からスタートし、風光明媚な五ケ所湾(ごかしょわん)をぐるりと巡って、三重県度会郡南伊勢町にある県道22号伊勢南島線交差点までを結ぶ約38kmのドライブコースをご紹介します。

【五ケ所湾を望んで:ルートの雰囲気と景観】
このルートは、リアス式海岸特有の複雑な地形を縫うように走るため、トンネルとアップダウン、そしてカーブが連続します。平坦な海岸線というよりは、海と山が迫る絶景が特徴です。

【旅の始まり:浜島港を後にして】
浜島港を後にすると、すぐに緩やかなアップダウンが始まります。この区間は志摩町の集落を抜け、海沿いや山間部をバランスよく走行します。かつての狭隘な旧道に対し、現在の国道は線形が改良され、比較的走りやすい2車線路が中心です。

【ハイライト:南伊勢町、湾岸の原風景】
ルートのハイライトは、南伊勢町に入り五ケ所湾周辺を巡る区間です。ここでは、湾の複雑な入江に点在する小さな漁村や港町の趣深い原風景を垣間見ることができます。道の脇には季節によってみかん畑が広がり、春には沿道の桜並木が美しく咲き乱れるなど、季節の移ろいを感じられます。

【絶景を胸に:南伊勢の魅力を堪能】
全体的に展望が開けた道は少ないですが、断崖沿いのルートからは、時折太平洋や五ケ所湾の壮大な景色が望めます。多くの入江が描く地形はまさに「ここにしかない景色」であり、伊勢の奥座敷と呼ばれる風光明媚な南伊勢の魅力を堪能できます。

走行上の注意点
このルートは改良が進み走りやすくなっていますが、以下の点に注意が必要です。
旧道と生活道路: 国道から分岐する旧道や、漁村を結ぶ集落内の道路は狭く入り組んでいる場所もあります。生活道路に入り込む際は、地元車両に配慮し、細心の注意を払って走行してください。

【旅の結びに:心に残る潮風ルートの余韻】
国道260号は、ただの移動手段ではなく、伊勢志摩の観光地から一歩踏み込んだ「奥座敷」の旅情を味わえる道です。複雑なリアス海岸線と山々の緑、そして漁村の趣が溶け合う風景は、訪れるドライバー、ライダー、サイクリストの心に深く刻まれます。この風景変化に富んだ潮風ルートを巡り、三重県南部の豊かな自然と歴史を感じる旅に出かけてみませんか。

動画と感想

・通常視点(撮影:2025.04)

 

※動画の音声ですが、撮影機材のトラブルにより、カタカタ音が非常に目立っております。ご容赦ください。

 

以前紹介したNo.373 国道260号 / 三重県志摩市阿児町〜志摩町(御座港)の続き。
御座港から英虞湾海上国道区間を渡った、対岸側の浜島港からスタート。
五ケ所湾に沿って進むコースになります。
リアス式海岸に沿って走る為、勾配やカーブが多くあり山の中・内陸を走る印象が強く、逆に海沿いを走る区間は少な目です。
全体的に片側一車線の走りやすい道が続き、信号の少なさもあり、スピードが出やすい印象ですが、一部、民家が建ち並ぶ場所で狭い場所があり、注意が必要。

 

<目次に戻る>

コース紹介



(S)スタートは三重県志摩市の浜島港から(01:38)
南伊勢方面へ

国道260号 五ケ所湾


片側一車線の海沿いの道を進みます。

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


リアス式の海岸沿いを走る為なのか、海と山がとても近く勾配のある道。

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


防波堤の向こうは海!!ではなく、川。。。南張川でしょうか?

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


海沿い。。。と言うより、山の中を進んでいる方が多い印象。
勾配はもちろん、カーブも程々にあります。

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


海沿いを走らないのは残念ですが、とても走りやすい道が続きます。
以前は酷道だったとの事ですが、今のところその面影はありません。

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


暫く進むと三重県道16号南勢磯部線との@神津佐交差点(信号あり)が現れます。(19:19)
大紀方面へ左折。

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


更に進みますが、相変わらず山道と言った感じ。

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


海が見える方が、貴重。っと言った感じですね。

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


この辺りはセンターラインが無くなり、やや狭い場所になります。
道沿いには民家が建ち並び、カーブもあるのでA歩行者等注意(24:37)

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


再び山の中へ

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


突然の海の供給。ありがとうございます。
しかし、車高、目線が低い車なのが残念(笑)

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


この辺りもセンターラインが無く、やや狭い場所に。
民家も多くB歩行者等注意(29:42)

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


そして直ぐに伊勢路川を渡る橋の手前にはC急カーブがあるので注意(30:26)

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


長閑な山間の道を進みます(汗)

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


そして、少しの海要素。

国道260号 五ケ所湾


整備された綺麗な山道を進んで行きます。

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


最後は、三重県度会郡南伊勢町にある三重県道22号伊勢南島線との交差点(信号なし)にて(G)ゴール。(46:23)

国道260号 五ケ所湾

国道260号 五ケ所湾


お疲れさまでした。
詳しくは動画をご覧下さい。

<目次に戻る>

周辺のドライブコース

周辺の立ち寄りスポット


磯体験施設 海ほおずき
国道260号からアクセスしやすい、海の生き物と触れ合える磯体験施設です。自然の海に近い「わんぱく磯」エリアでは、小さな子どもから大人まで、安全に磯遊びや貝つかみ体験が楽しめます。魚釣り体験や、郷土料理のてこね寿司・ひもの作り体験(一部要予約)もあり、伊勢志摩の海を五感で満喫できます。軽食の「勝っおバーガー」も人気です。

海ほおずき

https://www.umihozuki.org/

 

海水浴場(大矢浜・南張)
ドライブで立ち寄れる、志摩市の美しい海水浴場です。
大矢浜海水浴場: ルート起点近くにあり、透明度が高く遠浅で波穏やかなため、ファミリー層に人気です。水質調査でも高ランクを獲得しており、安心して海水浴が楽しめます。
南張海水浴場: 太平洋側に位置し、サーフポイントとしても有名です。美しいビーチが広がり、多くのサーファーや海水浴客で賑わいます。

 

五ヶ所湾の釣り
複雑な地形と豊かな海に恵まれた五ヶ所湾は、釣り愛好家の間では有名なスポットです。海上釣り堀や釣り船、渡し船を利用して、初心者からベテランまで様々なスタイルで釣りを楽しめます。湾内に浮かぶ真珠養殖いかだを眺めながら、釣り糸を垂らすのも、この地域ならではの趣深い体験です。

 

みかん(五ヶ所みかん・内瀬みかん)
南伊勢町は、温暖な気候と潮風に育まれたみかんの名産地です。「五ヶ所みかん」や「内瀬みかん」といったブランドで知られ、甘みと酸味のバランスが絶妙なコクのある味わいが特徴です。沿道には直売所や「ないぜしぜん村」などの施設も点在しており、秋から冬にかけては、採れたての新鮮なみかんを購入したり、みかん狩りを楽しんだりできます。

 

伊勢まぐろ
南伊勢町で養殖されているブランドマグロです。年間を通じて脂の乗りが均一で、臭みが少なく、濃厚な旨味が特徴です。主に南伊勢町内の飲食店や食堂で、新鮮な「伊勢まぐろ丼」や刺身として味わうことができます。また、道の駅や一部の直売所では、お土産用の柵や加工品として購入することも可能です。

 

あおさ
五ヶ所湾は、あおさ(ヒトエグサ)の養殖も盛んです。潮の香りが強く、鮮やかな緑色が特徴です。お味噌汁の具材として定番ですが、天ぷらやお菓子、ふりかけなど様々な加工品もあります。地元のスーパー、道の駅、海産物直売所などで手軽に購入できます。食事処では、あおさを使った郷土料理も楽しめます。

 

<目次に戻る>

データ


通過市町村
・三重県
  志摩市
  度会郡
   南伊勢町

 

通過道路
・国道260号

 

重複道路

 

撮影
・2025.04

 

<目次に戻る>

関連ページ

No.191 香落渓 三重県道・奈良県道81号名張曽爾線 / 三重県名張市〜奈良県宇陀郡曽爾村

奇岩と紅葉に誘われて。三重・奈良「香落渓」へ続く荒々しい渓谷美の道

景勝地「香落渓」と名張曽爾線の概要 香落渓(かおちだに)は、三重県名張市から奈良県曽爾村にかけて流れる青蓮寺川沿いに位置する、雄大な自然が創り上げた渓谷です。およそ8kmにわたる圧巻の渓谷美は、屏風岩、小太郎岩、天狗柱岩などの奇岩群が特徴です。まるで斧で断ち割ったかのような柱状節理(ちゅうじょうせつり)と呼ばれる切り立った荒々しい岩壁が連続します。また、秋の紅葉シーズンには、渓谷全体が燃えるような赤や黄色に染まり、多くの観光客を魅了します。 この渓谷沿いを進むのが、絶景ロードとして知られる三重県道・奈良県道81号 名張曽爾線です。三重県名張市と奈良県宇陀郡曽爾村を結ぶこの県道は、息をのむような香落渓の雄大な景色を間近に楽しめる、ドライブ、ツーリング、サイクリングに人気のルートです。 青蓮寺湖から奇岩地帯へ:名張〜曽爾(約21km)ルート紹介 今回は、三重県名張市にある夏見橋北詰交差点からスタートし、香落渓を通り抜けて、奈良県曽爾村の掛交差点(国道369号交点)までを結ぶ約21kmのルートをご紹介します。 湖畔の絶景を抜けて、いよいよ香落渓核心部へ スタート直後は郊外の田舎道ですが、すぐに豊かな自然の中へと入っていきます。まず現れるのが青蓮寺湖沿いのルートです。雄大な湖面を見下ろす高台を走るため、見晴らしの良い快走ルートとなっています。湖畔には、目を引く赤いアーチ橋(通過)や、脇に見える青いアーチ橋があり、思わず車を停めて写真に収めたくなるような魅力的な景色が続きます。 この青蓮寺湖周辺からは、道幅が狭くなる区間も現れ始めます。対向車とのすれ違いや、カーブでの運転・走行には注意が必要です。香落渓トンネルを抜けると、これまで高所から見下ろしていた青蓮寺川がより近く感じられるようになります。 ルートが青蓮寺川の脇を進むようになると、渓谷の迫力は一気に増します。川沿いには、屏風岩、小太郎岩、天狗柱岩、鬼面岩、鹿落岩など、名が付けられた荒々しく切り立った巨大な奇岩群が連続で出現。木々に囲まれた山々の山肌が剥き出しになり、圧倒的な岩肌がいくつも現れます。この風景こそが、香落渓の核心的な魅力であり、紅葉の時期の美しさは格別です。 絶景を楽しむための必須事項:走行上の注意点 このルートの魅力は景観の迫力にありますが、絶景を楽しむためにも安全確保のために以下の点に厳重に注意してください。 道幅の狭さと対向車: 香落渓の核心部や青蓮寺湖周辺の一部区間には、1車線程度の道幅の非常に狭い場所が散在しています。対向車とのすれ違いには細心の注意を払い、特にドライブやツーリングでは見通しの悪いカーブでの速度を十分に落としてください。 ガードレールの有無と駐車スペース: 狭い区間には、ガードレールなどの防護柵がない箇所も存在します。万が一にも渓谷側に落ち込む危険があるため、センターラインや路肩を意識し、安全な走行ラインを厳守してください。また、渓谷美を楽しめる区間には大きな展望・駐車スペースはありません。車5?6台程度の小規模なスペースが点在している程度です。駐車する際は周囲に配慮し、安全な場所に停めてください。 県境を越えて、長閑な曽爾村の山間部へ 香落渓の荒々しい景観を抜けると、岩肌の露出は減り、道は奈良県との県境を越えます。周囲に民家が現れ始め、長閑な山間部の雰囲気へと変わるでしょう。青蓮寺川沿いをゆったりと進み、奈良県曽爾村の掛交差点(国道369号交点)にてゴールとなります。 旅の終わりに:紅葉と奇岩が呼ぶ、迫力の絶景ロード 三重県道・奈良県道81号 名張曽爾線は、青蓮寺湖の穏やかな水面から、香落渓の迫力ある奇岩美へと表情をダイナミックに変えるコントラストが魅力です。道幅の狭さに注意を払う価値のある、紅葉の名所としても知られるこの絶景ルート。安全運転で、「香落渓」へ続く荒々しい渓谷美の道の旅へ出かけてみませんか。
No.194 国道368号・国道422号 / 奈良県宇陀郡御杖村〜三重県名張市
三重県伊賀市から奈良県宇陀郡御杖村を通り、三重県多気郡多気町へと続く国道368号。 滋賀県大津市から奈良県宇陀郡御杖村を通り、三重県北牟婁郡紀北町へと続く国道422号。 この二つの国道は三重県名張市〜津市の間、重複している区間になります。 今回はこの二つの国道が重複している区間の内、奈良県宇陀郡御杖村にある道の駅 伊勢本街道 御杖前の交差点(敷津交差点)から三重県名張市にある交差点(蔵持町原出交差点)までの約20kmのドライブコースです。
No.195 青山高原道路 / 三重県伊賀市・津市
三重県伊賀市と津市の境に広がる青山高原 この青山高原を東西に貫くように三重県道512号青山高原公園線が走っており、愛称は『青山高原道路』と呼ばれています。 以前は青山高原有料道路と言う有料道路でしたが、現在は無料開放済み。 今回はこの『青山高原道路』を三重県伊賀市にある国道165号との交差点から同じく津市にある三重県道28号亀山白山線との交差点までの約22kmのドライブコースです。
No.196 グリーンロード(中勢広域農道)/ 三重県松坂市〜津市
三重県津市と松坂市を走る中勢広域農道ことグリーンロード 今回はこのグリーンロードを三重県松坂市にある国道23号との交差点(曽原町交差点)から津市にある三重県道28号亀山白山線との交差点までの約44kmのドライブコースです。
No.362 フラワーロード / 三重県四日市市〜亀山市
三重県の四日市市、鈴鹿市、亀山市を縦断する北勢南部広域農道は、「フラワーロード」の愛称で親しまれる快適なドライブルートです。 地域の農業を支える大切な道であり、適度なワインディングが続くことから、ドライブやツーリングを楽しむ多くの人々を魅了しています。 今回は、四日市市にある三重県道140号四日市菰野大安線との交差点(六名町南交差点)をスタート地点とし、亀山市の国道1号(国道25号)との交差点(小野町西交差点)まで、約17kmのフラワーロードを駆け抜ける魅力的なコースをご紹介します。 北勢南部広域農道、通称フラワーロードは、主に四日市市から鈴鹿市、亀山市にかけての鈴鹿山脈東麓の丘陵地帯を走ります。 この道は、沿線で盛んな花木栽培や地域農業の振興を目的として整備された背景を持ち、その名の通り、季節によっては沿道に咲く花々が心を和ませてくれます。 ルートの始まりである四日市市側は、広々とした畑が広がるなだらかな道が続きます。 視界が開けており、のどかな田園風景や遠くに見える山々を眺めながら、ゆったりとしたペースでドライブを楽しめるでしょう。 鈴鹿市に入っても、風景は四日市市と似て、比較的平坦な畑地帯の道が続きます。 しかし、亀山市に入ると、地形は徐々に変化し、ワインディングが増え、深い森林の中を進むような区間へと変わります。 左右にカーブが続くこの区間は、運転の楽しさを存分に味わえるでしょう。 そして、終点に近づくにつれて風景は再び変わり、道沿いには工業団地が広がる区間が見えてきます。 特に、かつて「亀山モデル」で一世を風靡したシャープの亀山工場の脇も通過し、日本のものづくりを間近に感じられる側面も持ち合わせています。 この区間を抜けると、国道1号(国道25号)との交差点(小野町西交差点)に到着し、ルートは終了です。 フラワーロードは、快適な走行環境と、四季折々に表情を変える沿線の風景が魅力です。 交通量が多い時間帯や大型車の通行には注意が必要ですが、流れるようなワインディングと広がる景色は、きっと素晴らしいドライブ体験を提供してくれるでしょう。
No.363 国道25号 大和街道・加太越 / 三重県亀山市〜伊賀市
三重と奈良を結ぶ主要な動脈、国道25号。 その多くは快適な「名阪国道」として知られますが、今回ご紹介するのは、かつての面影を色濃く残す一般道の国道25号、通称「名阪酷道(めいはんこくどう)」と呼ばれる区間です。 この道は、その名の通り“酷”な面も持ち合わせる、挑戦しがいのあるルートとして、一部のドライバーを惹きつけています。 今回は、三重県亀山市にある国道1号との交差点(東海道関宿西交差点)からスタート。 歴史ある旧道区間を走り抜け、同じく三重県伊賀市にある三重県道・滋賀県道50号伊賀信楽線との交差点までの、鈴鹿山脈を越える約13.5kmのコースをご紹介します。 国道25号は、三重県四日市市を起点に奈良県を経由し大阪府大阪市に至る重要な幹線道路です。 中でも、鈴鹿山脈を横断する亀山市関町から三重県伊賀市にかけての区間は、古くから大和街道の一部であり、特に「加太越(かぶとごえ)」として知られる要衝でした。 この加太越の要衝には、旅人や物資が行き交う加太宿(かぶとじゅく)が栄え、古の人々が往来を支えた歴史が色濃く残っています。 名阪国道がバイパスとして開通して以降、この一般道25号は「名阪酷道」というユニークな愛称で呼ばれるようになりました。 これは、快適な名阪国道とは対照的に、旧道ならではの道幅の狭さ、急カーブ、急勾配が連続する特徴を揶したものです。 ルートの出発点である亀山市の東海道関宿西交差点付近は、美しい町並みが残る関宿の入り口です。 そこから道は徐々に山間へと分け入り、加太川の流れに沿ってやや細いながらも、なだらかな区間が続きます。 やがて、民家が増え始め、生活感あふれる集落の風景が広がり、さらに進むと、昔ながらの趣を残す加太宿へと入ります。 かつての旅籠や商家を思わせる古風な建物が連なるこの町並みを進む道は特に狭いため、対向車や歩行者に十分注意しながら走行してください。 加太宿を過ぎると、道は再び鈴鹿山脈の懐深くへと分け入り、風景は一変します。 深い木々に覆われた山道となり、道幅が狭く、見通しの悪いカーブが連続する本格的なワインディングロードへと変わります。 通常の走行でも十分な注意が必要ですが、この周辺には砕石場(採石場)があり、その関係で大型のダンプカーが頻繁に通行します。 重量のあるダンプカーとのすれ違いや、カーブでの遭遇には、一層の注意と余裕を持った運転が求められます。 沿道には豊かな緑がどこまでも広がり、四季折々の自然美が楽しめます。春は生命力あふれる新緑が萌え、夏は深い緑のトンネルが心地よい木陰を作り出し、そして秋には山全体が燃えるような赤や黄色に染まり、息をのむような絶景がドライバーを迎えるでしょう。 険しい山道を抜けて終点に近づき伊賀市に入ると、それまでの山道とは対照的に、道は徐々に落ち着きを取り戻します。 道幅は広がり、視界の開けた周囲には広々とした田畑が織りなす牧歌的な風景が広がり始め、やがて市街地へと続く道へと変化していきます。 国道25号「名阪酷道」は、単なる移動手段ではありません。 その道の特性、歴史、そして変化に富んだ景色が、まさに「道を識る者」にこそ響く特別な体験となるでしょう。 挑戦的な山岳ルートと、そこに息づく歴史を感じたいドライバーに、ぜひ体験していただきたい道です。
No.364 蝙蝠峠 三重県道668号関大山田線 / 三重県亀山市〜伊賀市
三重県伊賀市と亀山市の県境に位置する蝙蝠峠(こうもりとうげ)。 その名にはどこか神秘的な響きがあり、鈴鹿山脈の懐深くに分け入るこの峠道は、走り慣れたドライバーやライダーにひそかに愛される存在です。 この蝙蝠峠を越えて走る三重県道668号関大山田線は三重県亀山市と伊賀市を繋ぎ、鈴鹿山脈を横断する県道です。 今回ご紹介するのは、三重県亀山市にある国道25号との交差点(板屋交差点)からスタートし、蝙蝠峠を越え、三重県伊賀市にある国道163号までの約11kmにわたるコースです。 スタート地点の板屋付近は、住宅などが立ち並ぶため、道幅が一時的に狭くなる区間があり、対向車や歩行者に十分注意し、慎重な運転を心がけてください。 しかし、その区間を過ぎると、道幅は概ね片側一車線の安定した広さとなり、一気に山岳路の雰囲気が増してきます。 特に、蝙蝠峠周辺、亀山市側から上るにつれて、道は厳しい勾配と連続するカーブで、走りの醍醐味を提供します。 鈴鹿山脈の地形を縫うように道が続くため、アクセルワークやステアリング操作が求められる場面も多いでしょう。 にもかかわらず、道幅が安定しているため、総じて比較的走りやすい山岳路という印象を受けるはずです。 まさに森の奥、山の奥へと進んでいるような感覚に包まれ、日常を離れた静寂の中を駆け抜ける爽快感が味わえます。 沿道に目をやれば、杉などの針葉樹が多く見られ、その深い緑が織りなす荘厳な雰囲気に心が洗われるようです。 この県道668号線は、喧騒から離れ、ただひたすらに山と森の中を進む体験そのものが、このルートの最大の魅力です。 移りゆく木々の表情や、鳥のさえずり、風の音など、自然を五感で感じられます。 さらに、蝙蝠峠を伊賀市側に下ってしばらく進むと現れるのが「かえで渓谷」です。 ここには、樹齢400年ともいわれる楓の老木が巨岩の上に根を張る珍しい光景が広がり、新緑の季節には鮮やかな緑が、秋には燃えるような紅葉が渓谷を彩り、訪れる人々の目を楽しませてくれます。 清流の音に耳を傾けながら、自然の息吹を感じられる癒やしのスポットです。 そして、走行の疲れを癒やすのに最適なのが、伊賀市側にある「伊賀の国 大山田温泉 さるびの」です。 森の中に佇むこの温泉施設では、肌に優しい泉質の天然温泉を堪能できます。露天風呂や多彩な内湯のほか、地元の特産品を扱う直売所やレストランも併設されており、休憩や食事、お土産探しにも最適です。 三重県道668号関大山田線蝙蝠峠を越えるこの道は、厳しい山道の走行と、そこに広がる雄大な自然が、まさに「道を識る者」にこそ響く特別な体験となるでしょう。 挑戦的な山岳ルートと、静かな森の時間を求めるドライバー、ライダー、そしてサイクリストに、ぜひ一度体験していただきたい道です。
No.365 伊賀街道 国道163号 / 三重県伊賀市〜津市
三重県伊賀市と津市を結ぶ国道163号。 この道は、古くから伊賀街道として知られる歴史的なルートを継承しており、かつて伊勢と伊賀を結んだ重要な街道の面影を今に伝えています。 今回は、伊賀市にある国道25号(名阪国道)の中瀬IC付近から、津市の三重県道658号片田井戸久居線との交差点(片田郵便局前交差点)までの約33.5kmをたどるドライブコースを紹介します。 このルートは、伊賀の城下町から山間部を抜け、津の市街地へと向かう道であり、歴史と現代の風景が混在するユニークな旅を楽しめます。 スタート地点を離れ、道を進むと、まず目に入るのは歴史を感じさせる古い町並みです。 ここは、かつての街道沿いに栄えた集落の名残であり、道の両側には趣のある建物が並びます。 しかし、この区間は道幅が狭くなっている場所も多いため、対向車とのすれ違いや、地元の方々や歩行者への十分な注意が必要です。 やがて道は山間部へと差し掛かり、伊賀と津の境にある長野峠にさしかかります。 かつては伊賀街道の最難所とされたこの峠も、2008年に開通した新長野トンネルのおかげで、現在はスムーズに通り抜けられます。 道幅も広く、勾配も緩やかなトンネルを抜けると、快適な走りが楽しめます。この区間は山々の自然に囲まれながらも、過度に険しい道ではないため、安心してドライブできるでしょう。 峠を越え、津市に近づくにつれて、再び風景は変化します。田園風景や集落が現れ始め、伊賀から伊勢へと向かう旅の終わりを告げます。 国道163号(伊賀街道)は、難所と呼ばれた歴史を持つ峠越えの道が、現代の技術で快適なルートへと生まれ変わったユニークな道です。 歴史的な街道の風情と、現代の走りやすさを併せ持つ魅力的なこのルートで、快適なドライブやツーリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
No.367 三重県道658号片田井戸久居線 / 三重県津市
三重県道658号片田井戸久居線は、三重県津市内を走る全長約3.9kmの短いながらも重要な道路です。 北の国道163号と南の国道165号という二つの主要国道を結び、地域住民の交通を支えるショートカットとして機能しています。 今回は、国道163号との交差点(片田郵便局前交差点)を起点とし、国道165号との交差点(戸木口交差点)までのルートをご紹介します。 北側の国道163号との交差点からスタートします。 ここは交通量が多く、時間帯によっては渋滞気味になることがありますので、合流には注意が必要です。 県道658号に入ると、道はしばらく田園風景と片田団地に挟まれた区間を進みます。 のどかな景色と対照的に、地域の生活を支える物流の道としての顔も垣間見えます。 この道中、最も印象的なのは陸上自衛隊の久居駐屯地演習場の脇を通る区間です。 道はなだらかな丘になっており、適度な勾配とカーブが続きます。広大な演習場を横目に進むユニークな体験は、この道ならではの風景といえるでしょう。 約3.9kmの道を走り抜けると、終点である国道165号との交差点(戸木口交差点)に到着します。 こちらも交通量が多く、周辺には商業施設もあるため、スムーズな走行を意識しましょう。 このルートは、単なる移動手段としてだけでなく、国道間の移動を便利にする実用的な道として、地元の人々に愛されています。
No.369 伊勢志摩スカイライン / 三重県伊勢市〜鳥羽市
古くから「お伊勢さん」として親しまれ、多くの人々が一生に一度はと願った「お伊勢参り」。その歴史と信仰の地に、現代の旅を楽しむための特別な道が伸びています。 それが、三重県伊勢市の伊勢神宮内宮のほど近くから、鳥羽市へと抜ける全長約16kmの観光有料道路、伊勢志摩スカイラインです。伊勢と鳥羽を結ぶ天空のドライブウェイとして、伊勢湾と太平洋を隔てる稜線に沿って走り、豊かな自然と息をのむような絶景を一度に楽しめます。 今回は、伊勢市側からスタートし、鳥羽市へと抜けるドライブコースをご紹介します。このルートは、道中の景色を最大限に満喫できる、特におすすめの走り方です。 伊勢市側からスカイラインへと入ると、山頂へ向かって一気に標高を上げていきます。道は比較的勾配が厳しく、カーブが続く印象です。片側一車線ですが、一部道幅がやや狭く感じる箇所もあるため、慎重な運転が求められます。 山頂に近づくと、『朝熊山頂展望台』に到着します。ここからは、伊勢志摩の絶景を360度見渡すことができます。 また、展望台に隣接する『朝熊茶屋』では、名物の「志摩うどん」や「天空ソフトクリーム」を味わうことができます。伊勢湾を眼下に眺めながら入れる『展望足湯』は、ドライブの疲れを癒すのに最適なスポットです。 山頂を越え、鳥羽市側へと下り始めると、このルート最大のハイライトが待っています。眼下には、青く輝く伊勢湾と、伊勢湾口に点在する島々が広がり、複雑に入り組んだ鳥羽の海岸線が一望できます。この風景はまさに圧巻で、景色に見とれてしまわないように注意が必要です。 この道中には『光石展望台』や、いくつかの駐車スペースが点在しており、愛車とこの素晴らしい風景を一緒に撮影できる、絶好のフォトスポットになっています。 このスカイラインは、豊かな自然に囲まれているため、野生動物が多く生息しています。特に猿や鹿が突然道路に飛び出してくることがあるため、スピードを出しすぎず、十分に注意して走行しましょう。 ツーリングを楽しむライダーや他の車両も多い道です。お互いに安全に配慮し、譲り合いの心を持って走行することで、誰もが快適にこの道を楽しむことができます。 伊勢志摩スカイラインは、歴史を刻む伊勢神宮のすぐ隣で、現代の旅を刻む特別な道です。スリル満点のワインディングと、感動的な絶景が織りなす、忘れられないドライブ体験をあなたにもたらしてくれるでしょう。 ※伊勢志摩スカイラインは、125cc以下の自動二輪車、および自転車は通行できません。 また、季節毎に営業時間が変わります。事前に伊勢志摩スカイライ公式HPをチェックする事をお勧めいたします。
No.371 パールロード / 三重県鳥羽市〜志摩市
パールロードは、三重県道128号鳥羽阿児線の通称で、かつては有料道路として多くの人々に親しまれていました。志摩市の三重県道16号南勢磯部線との交差点(的矢湾大橋北交差点)を境に、鳥羽側の区間を「パールロードシーサイドライン」、志摩側の区間を「パールロード奥志摩ライン」と呼ばれ、それぞれ異なる表情を見せてくれます。 今回は、三重県鳥羽市にある麻生の浦大橋手前から志摩市にあるパールロード鵜方入口交差点までの約24kmを走る、鳥羽から志摩へのドライブルートをご紹介します。 パールロードは、リアス式海岸が入り組む志摩半島の丘陵地帯の稜線に沿って続く、とても走りやすい道です。全体が片側一車線で、信号もほとんどないため、景色を楽しみながら快適なドライブ、ツーリング、サイクリングを満喫できます。 まず、ルートの起点近くにあるのが、最高の景色が楽しめる鳥羽展望台です。ここには、太平洋を一望できる「海女のテラス」があり、休憩所やレストランも併設されています。 道中の多くは木々に囲まれており、常に海を眺められるわけではありません。しかし、だからこそ、時折視界が開けた瞬間に見えるリアス式海岸の入り組んだ海岸線は、はっと息をのむ美しさです。面白展望台的矢湾展望台など、要所に展望台や駐車スペースが設けられています。景色を存分に楽しみたい場合は、これらのスポットに立ち寄るのがおすすめです。 また、パールロード沿線にはテーマパークの志摩スペイン村があります。ホテルや温泉施設も備えた複合リゾート施設として、多くの人で賑わう人気スポットです。 鳥羽市街地方面からパールロードへ向かう場合、接続道路となる三重県道750号阿児磯部鳥羽線はカーブが多く、道幅も狭い区間があるため注意が必要です。パールロードに入ってからは非常に快適な道になりますが、安全運転を心がけましょう。 絶景と快走が共存するパールロード。雄大なリアス式海岸を望むその道の先には、伊勢志摩の旅をさらに特別なものにする感動が待っています。
No.373 国道260号 / 三重県志摩市阿児町〜志摩町(御座港)
国道260号は、三重県志摩市から北牟婁郡紀北町へと続く、リアス式海岸に沿って走る海辺の道です。今回は、そのうち先志摩半島を巡るルートをご紹介します。 起点の近鉄志摩線 賢島駅前をスタートし、国道260号をトレースしながら、先志摩半島の先端にある御座港を目指す、約24.5kmのドライブルートです。この先は海上区間となりますが、陸路は英虞湾を挟んだ対岸の浜島町浜島港で再び始まります。 国道260号をスタートし、志摩市の中心部である近鉄鵜方駅前を通り、鵜方磯部バイパスへ。そこから南下し先志摩半島方面へと進みますが、思ったよりも交通量が多いことに驚くかもしれません。志摩市大王町の大王崎入口交差点を過ぎたあたりから、徐々に交通量が減り始めます。 そして、深谷水道を渡るあたりから、道の雰囲気は一変。沿岸部の生活道路という印象から、先志摩半島の自然と風光の中を進む快適な道へと変わっていきます。道そのものからは景色を望むことはできませんが、ルートのハイライトである、海を渡る数々の橋は、まさに絶好のビュースポットです。 志摩パールブリッジ(志摩大橋)や長田橋、丸山橋などを渡る際には、入り組んだリアス式海岸の美しい景色を堪能することができます。 志摩の豊かな自然と複雑な地形が織りなす、変化に富んだこの道は、快適な走りと感動的な景色を同時に楽しむことができます。先志摩半島の先端へ、海風を感じながら旅をするようなドライブルートです。
No.374 志摩ゆうやけパール街道 / 三重県志摩市
伊勢志摩国立公園内に位置する先志摩半島をぐるりと巡る約20kmの周遊ルート、「志摩ゆうやけパール街道」。特に夕日の美しさが知られており、入り組んだリアス式海岸の壮大さや、真珠養殖が盛んな英虞湾(あごわん)の穏やかな景観を体感できます。 このルートは、国土交通省の日本風景街道に「きらり三橋 志摩ゆうやけパール街道」として登録されており、地域の自然と文化が一体となった「里海(さとうみ)のみち」として高く評価されています。 今回は、志摩市にある深谷大橋西交差点をスタート・ゴールとし、反時計回りで半島先端部を一周するモデルコースを紹介します。この伊勢志摩ドライブは、ツーリングやサイクリングにも最適な絶景ルートです。 ドライブの前半、主に国道260号を西へ進む区間は、車線が広く整備された走りやすい快速路です。道中、海を直接見られる区間は少ないものの、コースのハイライトとなる「三つの橋」を渡る際には、英虞湾ならではの絶景が広がります。 長田橋丸山橋、そして志摩大橋(志摩パールブリッジ)を渡る瞬間、複雑に入り組んだリアス式海岸と、真珠筏が浮かぶ穏やかな英虞湾の壮大な景色が視界いっぱいに広がります。思わず車を停めたくなるほどの爽快感ですが、橋の上での駐停車は大変危険なため厳禁です。安全な場所まで進み、ゆっくり景色を堪能してください。 半島先端部には、魅力的なスポットが点在しています。漁船が行き交う御座港のすぐ近くには、「快水浴場百選」にも選ばれた透明度の高い御座白浜海水浴場があり、夏場は多くの人で賑わいます。 そして、この街道の名前を象徴するあづり浜は、太平洋に面した夕景を楽しむ場所です。真珠筏が浮かぶ穏やかな英虞湾とは異なり、大海原に沈む夕日が、沖合に浮かぶ「すずめ島」と織りなす光景が印象的です。特に冬場の夕暮れ時には、太陽が島と重なり、まるで怪獣が火を噴いているかのような奇跡的な絶景を創り出します。また、ルート周辺には海女小屋体験施設や真珠工房など、志摩ならではの文化に触れられるスポットも豊富にあります。 この周遊ルートは、後半になるにつれて道の雰囲気が大きく変わります。 前半の国道260号は快適な快速路ですが、御座港付近を過ぎて国道から離れると、道幅が安定しなくなります。民家の間を抜ける生活道路となる区間では、道幅が狭く入り組んだ場所があります。 走行の際は、カーブの先の対向車や歩行者に十分注意し、細い道幅でのすれ違いに警戒が必要です。ゆっくりと、里海の暮らしを肌で感じながら進みましょう。 このルートの真の魅力は、前半の快適な道でリアス海岸の雄大さを感じ取った後、後半の生活道路へ入ることで現れます。ただ景色を眺めるだけでなく、志摩の里海に暮らす人々の息遣いや、潮の香り、海女文化、真珠養殖の営みを肌で感じる体験がこの周遊には詰まっています。三橋から見る英虞湾のきらめき、そしてあづり浜に沈む太平洋の夕日は、旅の記憶に深く刻まれるでしょう。 この20kmの周遊を走り終えた時、その道中で得たすべてが、あなたを志摩半島の豊かな海と人々の暮らしに深く繋げてくれるはずです。
No.383 国道260号 南伊勢 / 三重県度会郡南伊勢町〜北牟婁郡紀北町

山深きリアス海岸をゆく。国道260号、南伊勢〜紀北の道

国道260号の概要とルート紹介 国道260号は、三重県志摩市から三重県北牟婁郡紀北町に至る、紀伊半島南部の海岸線沿いを東西に結ぶ一般国道です。総延長は約98kmに及び、、その大部分がリアス式海岸の複雑な地形を縫うように走るため、カーブが多く、変化に富んだルートとなっています。「日本の道100選」にも選ばれており、風光明媚な景色が魅力です。 今回は、この国道260号のうち、三重県度会郡南伊勢町にある三重県道22号伊勢南島線との交差点付近をスタートし、国道を西に進み、三重県北牟婁郡紀北町にある国道42号との交差点(片上南交差点)までを結ぶ、約33.5kmの区間に焦点を当ててご紹介します。 このルートは、ドライブ、ツーリング、サイクリングを楽しむライダーやドライバーにとって、走りごたえのある挑戦的なコースです。 山深いワインディングと時折現れる海の景色 国道260号というと「海沿いの道」というイメージがありますが、この南伊勢町〜紀北町にかけての区間は、予想に反してほとんどの区間が山の中を進みます。リアス式海岸特有の地形のため、海岸線ギリギリを走るのではなく、入り組んだ湾の奥まった部分や山間部をショートカットするように道が続いています。 そのため、車窓が開けて青い海と漁村の風景が視界に飛び込んできた際は、格別な景色と感じられるでしょう。基本的には、緑豊かな山々と曲がりくねった道が続く、アップダウンの激しいワインディングロードです。 この区間最大の難所と注意点 全体的に走りやすい山道が多い中、特に注意したいのが、東宮坂トンネル中坂トンネル周辺の区間です。このあたりは、これまでよりもやや道幅が狭くなり、勾配も厳しく、タイトなカーブが連続します。見通しが悪いカーブも多いため、対向車とのすれ違いには細心の注意が必要です。 交通量は比較的少なく、快走できる区間も多いですが、全体的にカーブが多く、路面状況も場所によって異なります。スピードを出しすぎず、特にツーリングやサイクリングでは、安全第一で慎重な運転を心がけてください。 【旅の終わりに:心に残る、山と海のコントラスト】 国道260号の南伊勢〜紀北区間は、想像とは裏腹に山深い道が続きます。時折現れる海の景色は、この道を行く者だけが得られる格別な瞬間です。そして、東宮坂トンネル周辺のスリリングな難所は、単なる観光道路ではない、「道そのものを楽しみたい」ドライバーやライダーにとって走り応えのある体験となるでしょう。 変化に富んだリアス式海岸の山道を走り終えた時、きっとこの土地のありのままの自然の深さを感じられるはずです。
No.386 島勝浦・須賀利町 / 三重県北牟婁郡紀北町・尾鷲市須賀利町

三重・紀北の穏やかな時間が流れる港町を訪ねて:島勝浦、須賀利町を辿る道

島勝浦・須賀利町の概要 今回のルートの舞台となるのは、リアス式海岸が続く熊野灘沿いに位置する紀伊半島の港町です。 島勝浦(しまかつうら):三重県北牟婁郡紀北町に属し、深い入江に面した漁業が盛んな港町です。昔ながらの風景が残り、穏やかな海が魅力です。 須賀利町(すがりちょう):尾鷲市に属しますが、地理的には尾鷲市街から離れ、紀北町側に深く突き出した半島状の地に位置する集落です。尾鷲市中心部とは陸続きではなく、間に広がる熊野灘の深い入江(尾鷲湾)によって隔てられた「飛び地」となっています。かつては外部と繋がる道路がなく、「陸の孤島」と呼ばれており、船が唯一の交通手段でした。道路が開通した現在も、外部との交流が限られていた歴史を感じさせる、静謐な雰囲気を保ち、美しい入江の景色が残っています。 静かな港町へ。紀北・尾鷲の浦々を巡る約28kmの道 今回は、紀北町の鯨橋付近からスタートし、山を越えて島勝浦、さらに尾鷲市の飛び地である須賀利町を往復し、紀北町相賀(あいが)へと戻る約28kmのルートをご紹介します。これは、紀伊半島のリアス式海岸の深部を体験する歴史探訪と絶景の旅です。 【ルートの雰囲気と道の状況】 スタート後、道は三重県道734号矢口浦上里線を経て、これまでの紀伊半島沿岸の道と同様、あまり海を感じさせない山中を進みます。この序盤区間は近年整備された印象があり、勾配やカーブが穏やかで走りやすい綺麗な道が続きます。 山中を進み、三重県道202号須賀利港相賀停車場線へと入った後、さらに奥へ進むと、島勝トンネルが現れます。トンネルを抜けた瞬間、眼前に船越海岸(ふなこし海岸)の海が広がるドラマチックなシチュエーションは、このルート最初のハイライトです。 海岸を少し進むと再び山中へと入ります。ここからは勾配とカーブが厳しくなり、山を越え降っていくと、穏やかな入江に抱かれた島勝浦漁港が現れます。狭い漁港沿いの道は、とても穏やかな海と周囲を山々に囲まれた落ち着いた雰囲気です。 【山を越えて、静かな須賀利町へ】 島勝浦漁港を抜け、須賀利町方面へ向かう道は、再び山の中に入ります。道はさらに勾配やカーブが厳しいものとなり、特に須賀利町へ降下する手前では、道幅もやや狭くなります。木々に深く囲まれた山道を降っていくと、視界が開き、須賀利漁港の穏やかな海が見えてきます。山々に守られた静かな港の風景は、「陸の孤島」と呼ばれた歴史を感じさせます。 須賀利漁港で折り返し、今度は相賀方面へ向かいます。この復路は、紀北町矢口浦にある交差点までは往路と同様のルートを引き返しますが、そこから県道202号を相賀方面へ進みます。民家が立ち並ぶやや狭い道を抜けると、再び海の脇を通る区間に。この辺りの海も山に囲まれた穏やかな入江ですが、交通量が予想よりも多く、道の狭さも相まって対向車とのすれ違いには注意が必要です。相賀駅前を通り、国道42号との相賀南交差点でこの旅はゴールを迎えます。 走り終えて感じる、紀伊半島の深さ このルートは、リアス式海岸の山々を深く分け入り、かつて「陸の孤島」と呼ばれた須賀利町を訪れる旅路です。近年整備された走りやすい区間から、急勾配で道幅の狭い山間路まで、道の表情はめまぐるしく変化します。 トンネルを抜けた先のドラマチックな海、山々に守られた静かな入江、そして歴史が育んだ穏やかな港の空気――。 ドライブやツーリングで紀伊半島の山深さとリアス式海岸の地形を体感した後、昔ながらの風景が今も残る静謐な景色を胸に、この特別な道程を体験しに訪れてみませんか。

TOP 都道府県から探す 全国地図から探す