国道25号 大和街道・加太越:ただの道じゃない。鈴鹿の懐深く、歴史と絶景を刻む「名阪酷道」

概要

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三重と奈良を結ぶ主要な動脈、国道25号
その多くは快適な「名阪国道」として知られますが、今回ご紹介するのは、かつての面影を色濃く残す一般道の国道25号、通称「名阪酷道(めいはんこくどう)」と呼ばれる区間です。
この道は、その名の通り“酷”な面も持ち合わせる、挑戦しがいのあるルートとして、一部のドライバーを惹きつけています。

今回は、三重県亀山市にある国道1号との交差点(東海道関宿西交差点)からスタート。
歴史ある旧道区間を走り抜け、同じく三重県伊賀市にある三重県道・滋賀県道50号伊賀信楽線との交差点までの、鈴鹿山脈を越える約13.5kmのコースをご紹介します。

国道25号は、三重県四日市市を起点に奈良県を経由し大阪府大阪市に至る重要な幹線道路です。
中でも、鈴鹿山脈を横断する亀山市関町から三重県伊賀市にかけての区間は、古くから大和街道の一部であり、特に「加太越(かぶとごえ)」として知られる要衝でした。
この加太越の要衝には、旅人や物資が行き交う加太宿(かぶとじゅく)が栄え、古の人々が往来を支えた歴史が色濃く残っています。
名阪国道がバイパスとして開通して以降、この一般道25号は「名阪酷道」というユニークな愛称で呼ばれるようになりました。
これは、快適な名阪国道とは対照的に、旧道ならではの道幅の狭さ、急カーブ、急勾配が連続する特徴を揶したものです。

ルートの出発点である亀山市の東海道関宿西交差点付近は、美しい町並みが残る関宿の入り口です。
そこから道は徐々に山間へと分け入り、加太川の流れに沿ってやや細いながらも、なだらかな区間が続きます。
やがて、民家が増え始め、生活感あふれる集落の風景が広がり、さらに進むと、昔ながらの趣を残す加太宿へと入ります。
かつての旅籠や商家を思わせる古風な建物が連なるこの町並みを進む道は特に狭いため、対向車や歩行者に十分注意しながら走行してください。

加太宿を過ぎると、道は再び鈴鹿山脈の懐深くへと分け入り、風景は一変します。
深い木々に覆われた山道となり、道幅が狭く、見通しの悪いカーブが連続する本格的なワインディングロードへと変わります。
通常の走行でも十分な注意が必要ですが、この周辺には砕石場(採石場)があり、その関係で大型のダンプカーが頻繁に通行します。
重量のあるダンプカーとのすれ違いや、カーブでの遭遇には、一層の注意と余裕を持った運転が求められます。


沿道には豊かな緑がどこまでも広がり、四季折々の自然美が楽しめます。春は生命力あふれる新緑が萌え、夏は深い緑のトンネルが心地よい木陰を作り出し、そして秋には山全体が燃えるような赤や黄色に染まり、息をのむような絶景がドライバーを迎えるでしょう。
険しい山道を抜けて終点に近づき伊賀市に入ると、それまでの山道とは対照的に、道は徐々に落ち着きを取り戻します。
道幅は広がり、視界の開けた周囲には広々とした田畑が織りなす牧歌的な風景が広がり始め、やがて市街地へと続く道へと変化していきます。

国道25号「名阪酷道」は、単なる移動手段ではありません。
その道の特性、歴史、そして変化に富んだ景色が、まさに「道を識る者」にこそ響く特別な体験となるでしょう。
挑戦的な山岳ルートと、そこに息づく歴史を感じたいドライバーに、ぜひ体験していただきたい道です。

動画と感想

・通常視点(撮影:2025.04)

 

国道25号(名阪国道ではなく旧道側)の内、三重県亀山市から伊賀市の区間。大和街道と呼ばれ、加太越を進むルートです。
名阪酷道とも呼ばれる道(一部)で、快適な名阪国道とは対照的に二桁国道でありながら、かなり過酷な道になっています。
特に加太宿から西側の区間は狭く見通しの悪いカーブの続く道ですが、この狭い道をダンプカーが頻繁に走っています。
当然、対向車に十分気を遣う必要があり、走行には十分注意して下さい。
あと、何気にダンプカーの後ろに付く場合も、対向車の状況により、急ブレーキを掛ける状況もあるので、車間距離は十分に取った方が良いでしょう。

 

紹介しておいてなんですが、特に目的が無ければ普通に名阪国道側を走った方が良いです。。。

 

コース紹介


※YouTubeのチャプター機能を利用し、動画と本ページのコース紹介を連動させています。
番号が振ってあるコース案内、注意点などを動画で確認しやすくなる様にしてみました。


(S)スタートは三重県亀山市にある国道1号との交差点(東海道関宿西交差点:信号あり)から(01:38)
伊賀方面へ


片側一車線の道を進みます。


鈴鹿川の支流、加太川沿いに進んで行きます。
この辺りから、やや道幅が狭くなりますが、なだらかな印象。


流石に4トントラックとのすれ違いは厳しいか・・・


左側に加太川っと思っていましたが、いつの間にかに関西本線の線路が。


山深い場所を走りますが、比較的走りやすい道が続きます。


暫く進むと関西本線の踏切。
踏切前後は@急カーブになっているので注意。(06:27)


踏切を越えると、田園風景が広がり、民家も多くなってきました。


場所によっては、民家や商店などが密集した狭い区間を走ります。A歩行者等注意(08:19)


更に進んで行くと、小さな橋が現れます。
この橋の前後では、道幅が狭くなり急なカーブになっているので注意。B狭路・急カーブ。(08:56)


更に進んで行きます。


再び住宅が多くなると、道幅が狭くなり、沿道には小学校もある様です。こちらもC歩行者等注意。(10:34)


少し進むとD板屋交差点(信号あり)が現れます。(11:04)
直進しても国道25号の様ですが、右折します。


すると、古い民家が多く建ち並ぶ、加太越奈良道の宿場:加太宿の面影の残る場所へ
なお、道幅が狭い場所や入り組んだ場所があります。こちらもE歩行者等注意。(11:26)


ここを抜けると、先程の板屋交差点で直進側の道と合流します。F交差点1(信号なし)(13:09)
右折します。


すると直ぐに車同士のすれ違いが困難な道幅の狭いトンネルが現れます。
交差点から直ぐではありますが、見通しが良いので対向車に気を付けながら進んでください。G狭路(13:29)


なお、周辺には砕石場(採石場)があり、その関係で大型のダンプカーが頻繁に通行するので注意!!


見通しの悪いカーブが続く狭い道を進んで行きます。


そして、カーブでダンプカーと遭遇。
焦った。
H狭路・見通しの悪いカーブ区間。ダンプカー注意。(13:56)


沿道には砕石場・採石場があり、ここに出入りするダンプだと思います。


引き続き険しい道を進んで行きます。


伊賀市との境から道が綺麗に。
うん。快適。この落差が酷い(汗)


からのI狭路・急カーブ(19:54)
線路の下を通ります。当然、ダンプカーも走っている区間なので注意して下さい。


左に鴉山池。右に採石場(採石場)。


周囲は田園風景。


名阪国道の脇を進んで行きます。


最後は、三重県伊賀市にある三重県道・滋賀県道50号伊賀信楽線との交差点にて(G)ゴール。(22:20)


ですが、動画ではもう少し進み、伊賀ドライブインへ行きました。


お疲れさまでした。
詳しくは動画をご覧下さい。

周辺のドライブコース

データ

通過市町村
・三重県
 亀山市
 伊賀市

 

通過道路
・国道25号(大和街道)

 

重複道路

 

撮影
・2025.04

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